2009/10/21

ぶらぶら

朝、「しゃきっと」から大きな荷物が届く。
やさいだ!
競争のように小芋をふかして、春菊をさばいて、菊をゆでて、いんげんをゆでて、春菊をゆでて、
わあわあと着替えて国立劇場に向かう。新作歌舞伎、人間豹。染五郎さん宙をぐるぐるまわる。サーカス顔負けの宙乗りではないか。
前作で見られたショッカーっぽい動きは減っていた(ああいうときに、同世代だなぁと思う)。
終演後、豹の鳴き声が「吉野石膏」のタイガーボードCMの声と同じだ、と思った。

お茶して、麹町の牛豚専門店「太田屋」で肉を買う。
挽きたての合挽500g、ソーセージとウインナー、ボロニャソーセージ。
ここがおいしいと麹町在住のマダムに聞いた。そしてそのマダムとは外国人に料理を習うクラスで知り合ったのである。あいや〜、私もマダムっぽいわ〜(笑)。

四谷から歩いて帰る。
家族の晩ご飯は、春菊天ぷら、春菊と菊のおひたし、小芋の揚げ煮。
私は、青山のイタリアンでお祝い事の遅めの会食。
豚の耳の前菜と鹿のカルパッチョ、わーおわーお。
シンプルな紅芯大根と木の実のサラダも印象に残った。
近く再訪したい。
オークボ父さん、マラソン初参戦するという。ランナー心にやや火がつく。

今日の着物は、今時期の庄内の自然の印象をそのままにうすーい水色の袷に、紅葉の帯。
でも中は夏襦袢のまま。東京は暑い。

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2009/06/24

大阪の女(4月歌舞伎 曾根崎心中)

4月、合間をぬって歌舞伎を見た。
「曾根崎心中」のほうの部。藤十郎さんも、そのあたり役と言われる曾根崎心中も初めて見るのだ。

お初という大阪の女。
藤十郎さんがやっていることもあって、元気いっぱいの娘さんが
気弱な男をぶんぶん振り回す話に見えた。
「夫婦善哉」を連想する。
ああ、大阪は女が男を振り回す形が定型にあるんだな。

その日のメモに「曾根崎心中は、文楽でみると美しく、歌舞伎でみると面白かった。シェイクスピアだあ〜。」
と書いてあった。

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2009/02/24

歌舞伎座三月公演、おくりびと

しかかり原稿を抱えたまま、歌舞伎座に走る。
蘭平、弁慶、三人吉三。
吉右衛門さん、見れば見るほど好きになっていく。吉右衛門さんの弁慶が、一番好きかもしれぬ。強い男の人のかわいらしさに惹かれる。
三人吉三も好きな演目。ずいぶん前に染五郎さんのお嬢吉三を見た印象が強かったのだが、玉三郎さんのお嬢吉三は、なんというかもうすごみさえ感じられた。三階からでもすごーく楽しめた。

もちろんスケジュールにはそのぶんきっちりとしわがよっている。
今週は鞭打たれた馬のように原稿をすすめるしかない。
ま、いいんだ。原稿は、やれば終わる。

「おくりびと」がアカデミー賞をとったのは
ロケ地が地元ということもあってうれしい。
母から「鶴の湯のおくさんが全国紙にウツッテル!」とうわずった電話がくる。
映画に登場するお風呂屋さんは、本当にあのまま鶴の湯(鶴乃湯?)として営業している近所の風呂屋なのです。
朝日新聞の記事今たまたま鶴岡市についての原稿をすすめているということもあり、なんかうれしいなぁ。
鶴岡市は、江戸時代から地図が変わっていないうえに、下手すると明治時代くらいの町並みがそのまま残っている「街ごとタイムカプセル」のような町。
それを活かす方法がきっとあるはずなのだ。
ロケ誘致もそのひとつだ。
みんな「おくりびと」の風呂につかりに鶴岡に旅しにこないかなぁ。
原敬が泊まったホテル(鶴岡ホテル)も当時のままの建築物で営業しているんだけどなぁ。

大きな地図で見る ↑ちょっと拡大していただくと、見えます。

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2008/11/04

新橋歌舞伎

新橋演舞場まで。
ひさびさの三の助そろい踏みだ!と張り切って行った割には、女子的な体調の都合もあり、眠くて眠くて居眠りばかりしていた。眠けに勝てない女。
けれども歌舞伎はいい!とても楽しかった、と言わせてください。

夕方は、ウェブデザインの相談などしに池袋まで。
そのまま晩ご飯をいただき、家族と合流して帰る。
思いついて飯田橋から歩いて帰ると、
家族が「俺は、まだ、腹が減っている!油そばを食べる!」と主張をするので
「ラーメンガキ大将」で焼きモツとウーロンハイでおつきあい。

続きを読む "新橋歌舞伎"

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2008/10/02

「キーン」、清原引退

スケジュールがつめつめになってきた。
仕事をしながら芋煮を作っておく。
夕方原稿を切り上げて天王洲アイルで「キーン」。本格的ないわゆる演劇。
市村さん(篠原涼子のだんなさんね)というのはとことん舞台俳優なんだなあ…。
そして、高橋恵子さんは好きだなぁ。

シェイクスピアというのは、きっとイギリスでは歌舞伎みたいな感じで楽しまれているのではないか?
と同行のオーサワ(滞英約10年)に言ったら「そうだね」とのこと。
「キーン」はシェイクスピア役者を歌舞伎役者で置き換えてやったらいいのになぁと思う。

晩ご飯。今年二度目の芋煮、きゅうりのくずあん、きゅうりのぬかづけ、枝豆、納豆。
家族は納豆ご飯を満足げにもりもり食べたのち「あ!!!!」と叫び、格闘技番組をみ損ねたと肩を落としている。

清原引退。
そういえばコロコロコミックに連載されていた「かっとばせ清原くん」というマンガはどうなったのか。
(おそろしいことに清原が高校生、私が小学生の頃から続いていたはず)
近年、まだ連載していた!と驚愕した覚えがある。

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2008/08/30

愛陀姫のことなど

駆け込みで見に行く歌舞伎シリーズ。
今月は3部制の納涼歌舞伎。
一番人気の野田歌舞伎「紅葉狩」と「愛陀姫」の3部がぽろっと手に入った。

前に「紅葉狩」は松緑、海老蔵、尾上右近の組み合わせで見た。
今回のは、勘太郎、橋之助、巳之助。
やはり尾上右近の踊りが好きだ、と確信する。
今回は、橋之助さんが素敵だった。

「愛陀姫」はベルディの「アイーダ」を翻案した演目。エチオピアとエジプトの悲劇が、美濃と尾張の悲劇に…
真剣な恋愛劇のはずなのにどことなく「まぬけ」に見えるのは
シェイクスピア、オペラ、歌舞伎共通のように思う。

「愛陀姫」が終わると、会場はスタンディングオベーション!
野田秀樹さんもきていた。カーテンコール、すごかったなぁ。
野田歌舞伎は、一般的に考えられている「演劇」に近い歌舞伎になっているのでツウじゃなくても歌舞伎のエンターテインメントを楽しめると思う。
それにしても歌舞伎って能狂言舞踊人情劇なんでもありの、
ばか騒ぎのお祭り空間なんだな〜。
そのぶん演者にとてつもない技量を要求するおっそろしい芸能だ。
肉体を間近で見ていると、えええっという動きを次々と軽々こなすので恐ろしくなる。
家に帰って、こっそりまねをしてみたが、なんと自分の無様なこと。
上半身をぶれさせず、下半身のバネを使うというのは、えらいことですよ。

10月には私が愛してやまない菊五郎の「魚屋宗五郎」があります。
楽しみ。ふふ、ふふふ…

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2008/08/21

夏が弱ってきた

盆が明けると同時に夏の射るような日差しが弱ってきた気がする。
とはいえ、じりじりと首筋や耳たぶが焦げる。
そして、なにより体が草臥れているので弱くなった日差しでも十分こたえる。

昼にかけて仕事をふたやまこなし、
夕方歌丸師匠の怪談を聞きに麹町を抜けて行く。今日も明石縮。
盆がすぎたので、帯を紺地の萩の柄に、手ぬぐいもひき茶色の萩柄に。
「三遊亭円朝作 鏡ヶ池操松影より「江島屋怪談」」
「いかもの」がキーワードになる怪談。
今年も怖かった。噺もそうだけど、師匠が怖い(笑)。
笑点では分からないだろうな…歌丸師匠の品のよさと声の通り、調子。
ううむ、やはり歌丸師匠、大好きだ。

帰りに鶴屋八幡であんみつ。
品のよい甘味で締め、大満足ののち、とっとと家に帰ってまた仕事する。

夕飯は、里芋と茄子とアスパラガスと椎茸の煮物。9月が近くなると里芋が食べたくなってくる不思議。
太い夏アスパラと、これからさらにおいしくなる茄子と、ハシリの里芋で「であいもん」。
家族には、さらにトマトと焼きハムのサラダをつけ、喜ばれる。
薄切りにしたハムを太白ごま油でチャーチャー炒めて、薄切りのトマトの上に並べただけ。
アサツキか香菜をのせるとまたおいしいと思う。

なんとなく、夏に別れを告げる日だったのではないか。
そろそろ晩秋と初秋の着物のことを考えようか。

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2008/07/25

七月歌舞伎にうっとり

書きかけの日記が、たまっている。
パソコンの中と、頭の中の両方に。
もう、書き出さないとたまる一方なので書きます。

七月歌舞伎は、よかったぞー!!!
というのが今日の叫び。

一回めは夜の部、母の上京ついでに誕生日プレゼントとして行った。
夜叉ケ池、高野聖の鏡花づくし。
卒論で泉鏡花を選ぼうかと思ったくらいに好きなので
楽しみにしていた。鏡花好きの玉三郎さんがどのように…?と。
「夜叉ケ池」が、原本ほぼそのままで脚本家されており、のけぞった。一字一句なぞる舞台。
春猿さんのお百合さんにためいき。
せせらぎでお米をとぐだけで、日本女性ってこんなに美しいんだ…ねえ、とひとりごちる。
以前歌舞伎美人でインタビューさせていただいた市川右近さんも、素敵だった。
私なんかが言うと僭越の極みだけれど、歌舞伎役者のその一枚うえ、演技者として魅力的な感じ。
テレビドラマにそろそろお声がかからないかしら?大河とか。
「高野聖」には以前日記でも書いた尾上右近くんが出ていた。
足のたたない、知能のちょっと遅れた男の子という役。
おどろいた、もう高校一年生だって。なんというか、よその子は大きくなるのが早いねえ…という感じ。
(関係ないけれど、安室ちゃんが30歳というのも軽い衝撃だった。スーパーモンキーズの16歳とかの印象が強かったので)
全体をとおしては、音に出したときの鏡花文の不思議さにうたれた。
鏡花って、怪奇にまみれているのに、清い。
見えない世界まで内包して、おどろおどろしくも清い。自分とは遠い世界だけれど、やっぱり好きだ。
その「好き」の感じは、玉三郎さんのことを好きな気持ちにも通じるなぁ、と思った。

二回めの歌舞伎はさっき、昼の部を見てきたところ。
奇跡的に3階Aのチケットが手に入ったので駆けつけた。
玉三郎、海老蔵が共演する義経千本桜。
もう文句ないでしょ?というくらいに豪華絢爛。金色と銀糸の綾に、宝石をちりばめたような。
オモダカ屋さんの型の「四の切」を初めて見た。
狐の(人の)かわいい部分がいじらしく書かれていて、
役者に要求する身体技能は高い。
それはもう、おそろしいくらい。
海老蔵さんの大きな筋肉が見えるような場面が続く。
そして宙乗り、圧巻。海老蔵は「魅せますよ〜!」客席は「魅せられました〜!」というかんじになっていた。
2幕目の踊り(「道行き」)の緊張感と好対照。

ええっと、まだ書いてない宿題は藤原竜也の「かもめ」、「イキウメ」の公演、吉本隆明講演会、魔女集会、ウングワレー展、佐伯泰英の時代小説(今夢中)。

それと、きもの!
きものでおでかけ、ぼつぼつ強化します。
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2008/04/03

4月のつぶやき

「TRANSIT」ゲラ直し。苦労してかいたわりに自分の原稿のまずさに心の底からがっくりする。
でも全部直しているわけにはいかないので、なんとかやりくりする。
坂東玉三郎さんのインタビューがのって、4/下旬に店頭に並ぶ予定です。

文学賞の下読み原稿、届く。もうこの季節。
今月は暇かな?と思っていたけれど、この仕事があったね。読まなくちゃ。

それにしても、今年はまったくセンバツに気持ちが向かない。
どんなにチャンネルがあってもみたくないの。なんでだろう?

晩ご飯、
ほうれん草とひじきの梅醤油和え、
ブリの西京漬、サバのみそ煮(このふたつはお昼ご飯のお弁当屋さんが魚を入れ忘れたのの埋め合わせ)
のらぼう菜のおひたし。
のらぼう菜のべらぼうなうまさに驚く。ゆでるだけで塩も醤油もいらない品のよい甘さ!

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2008/01/23

おじさんの着ぐるみ

新橋演舞場で大発奮の海老蔵を見、やんやの大喝采。そのまま銀座に流れ、天才ビールつぎ・エビさまのいなくなったライオンビヤホール(銀座7)でゆったりおしゃべりなど楽しむ。
グラスごとのエーデルピルスの泡の塩梅がばらばらなのを見ると、エビさまの不在がぐっと胸にせまってくる。もちろんエーデルピルスはエーデルピルスとしてうまかった。ここにさらなる魔法をかけるのが海老さまだったってことだ。パートでまだ働かれるということなので、まだ海老様ビールには会える。大丈夫。

ジョン・アーヴィング好きの山田さんの顔を見ていたら、
「灯台守の話」ジャネットウィンターソン/岸本佐知子
「アメリカにいる、きみ」C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ
がとってもよかった、おすすめという言葉がするすると出てきて、(本を読んでいないような気がしていたが、)そうか、この2冊はよかったよなー、と思い出す。
サンガ新書のアルボムッレ・スマナサーラシリーズも相変わらず読み続けているのだけれど、
『苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教3』がいよいよよい。
宗教というより哲学(ものの考え方)について、深く簡潔に記してある。全体に落ち着いて明瞭。
何度読み返しても、雪の朝のような明るさを感じる。さえざえとして、明るく、ひきしまっている。

明るかった外がやがて夕暮れになり、暗くなった。
早めの時間帯にほろよいで丸ノ内線に乗って帰る。ただしい昭和を実行しているような気持ち。
分厚いコートを着込み中折れ帽をかぶったおじさんになって家族の待つ家に向かうような…
そして帰って、おじさんの着ぐるみをきっぱりと脱いで、ばんごはんをつくる。大根葉と納豆、煮大根、さわら西京漬け、菜の花系の野菜と豚のさっぱり炒め、海苔。

仕事など片付けているうちに、お腹のあたりから強い指令がでて、床の上に転がって気を失う。
サエキさんの電話で起きるが、原稿の直しは朝で許してもらうことにして、ようよう寝る。

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2007/12/22

歌舞伎三昧

火曜、仕事が空いたので、「年末は、忠臣蔵を見ないとね」なんていいながら国立劇場に走る。
12月歌舞伎公演「堀部彌兵衛」「清水一角」「松浦の太鼓」http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1507.html

実は今週は歌舞伎座チケットも取ったのだ。
11月まったく動けなかった敵をとるみたいに、チケットをとりまくった。
来月は歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場。
楽しみなこと。

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2007/10/20

電車の中で

雨が降るというので、キモノはあきらめた金曜日、
新橋演舞場で勘三郎さん観劇。
それにしても俊寛、鏡獅子、文七元結とはがっちりした演目だ。

俊寛は国立劇場で見たばかりなので、
松本家の演じ方と比べられるなど、いつもと違う角度でのおもしろさがあった。
勘三郎・勘太郎・七之助兄弟の鏡獅子は、お約束…というくらい定番。
ぴったり息があっていて、恐ろしいほど。
本当に3人が切磋琢磨している!という感じが伝わってきて、
正月でもないのにすばらしくめでたいモノを見せていただいた…とありがたがった。
山田洋次の文七元結は、落語が好きな人がつくったなぁという感じであった。
しかし、ところどころ丁寧すぎてうとうとしてしまったのも事実。
以上、簡単に雑感。

鳩居堂で祝儀袋を買い込んで帰り、赤坂見附で夕方の丸ノ内線に乗り換える。
ことりと置かれたリンゴのような少女がいた。
18くらいの、化粧っ気のない顔に、髪をひっつめにして、マフラーをぐるぐる巻にして、ひたと暗闇を見つめている。白い肌。黒い瞳。切りそろえられた前髪。
赤い地下鉄の同じリズムで揺れているうちに、
彼女が小さく、歌っているのに気がついた。
耳にかけられた白いイヤフォンから何が流れているんだろう。
小さな箱から流れている、彼女にとって没頭するべき世界。
彼女の中では、何かが白熱してきたらしく、声がじわじわと大きくなってきた。
周囲の人も静かに驚いているのが分かったが、彼女は没頭…を続けていた。
私は、歌詞はきかずに、声の質だけを聞いていた。
素朴な、一生懸命な声だった。なんだか知らないけれど、応援したくなるような。
次の駅で、彼女は降りていった。

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2007/10/08

「三越歌舞伎」の底力

ここでも何度か書いた『三越歌舞伎』、観てきました。
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大理石のデパートという非日常空間。「三越劇場」は、その片隅にしつらえた、シェイクスピア劇場のような空間。
細部に至るまで、こまやかな装飾がほどこされて、ちょっとした宮殿か宝石箱のような場所だ。
どんなに抑えたって、気分は高揚してくる。
お客さんもそれぞれに着飾って、ハイカラな雰囲気が盛り上がる。キモノも多い。
いいキモノだな〜、うわっ、なんじゃあのばかでかい帯留!作中の登場人物「銀杏の前」にちなんだか、銀杏づくしの人もいる。興行じゃなくてマチネーと呼びたい感じ。ちょっとした祝祭のような。

席に着くと驚くのが思った以上に「近い!」ということ。役者のいるところまで5掻き泳げばつけそう。泳がないけどさ。
「コンサート鑑賞」ではなく、「ライブに参加する」ようなこのサイズ感は、江戸時代の芝居小屋と同じなのだそうだ。なるほどなぁ。知識として知っているのと、実際に観るのでは大違い。
もちろん汗、涙まで見える。役者が息を荒げて殺陣をしているのも見える。
いかに彼らの身体がすばらしいか、それを通して感じる「型」の強さ。
それに気づいたのは、やはり役者が等身大に感じられる舞台の力ではなかったか。

市川右近さんのうまさ、かわいらしさにも驚いた。
インタビューでお会いしたときは、ばりっとしたいい男だったのに、まったく別人(歌舞伎的には当たり前なんだけど)。
「ぐずでのろまな亀」的な又平を実にチャーミングに演じている。
吃音障害を持つ又平の命かけた願いが通らないで、悔しさ情けなさのあまり奥さんをぽかぽか殴りだしてしまう辺りから、私の目は表面張力。
(ばか〜、そんな弱いからダメなんだよ〜。もう一歩、先まで踏み出せ、又平!)
ただひたすら師匠に認められたい愚直さ、自分ではどうにもならない壁。多かれ少なかれ、みんな心の中に吃音を持っているから、涙が出てくるのか。ストーリー、脚本のすばらしさ。
そして、もうひとつ、観客が「うまいな」「すごいな」と思って観るレベルからもう一段引き寄せられて、舞台と一緒に泣き笑いしてしまう、役者の魔力がそこにあるのだ。
あの顔を見たら、なんだって許しちゃうよ、好きになっちゃうよ。だって…なんだか憎めないんだもん!という右近さんの魅力。ちょっとだけ勘三郎さんのことを連想した。

前半の、お姫様の身勝手さもおかしかった。こういう、立派じゃない人がじゃんじゃん出てくる話って、ほんと、私は好きだ。好きな男と結婚したいからって、腰元のふりをしてまで謀って、結婚するか!単なるだだっ子ちゃんじゃないの。シェイクスピアにも通じるものがあるなぁ。

そうして、ここで歌舞伎をやるという東西文化掛け合わせが、”めちゃくちゃなごった煮”ではなく、ここにしかないゴージャスな世界になっていくのだった。
三越劇場の場のもつ「西洋力」と、歌舞伎の「東洋力」が拮抗し、融合し、高みへと駆け上る。美しい文化のキメラ。
これこそ、歌舞伎座でも実現できず、演舞場でもできない、魔法の時間であり、空間なのだ。これを観ないのは、もったいないと思う。
最後に客席も使った演出もあったりして、通路沿いの席をご用意くださった方のご好意を深く感じた。
ありがとうございます。

で、普通の観劇ならここでおしまいなんだけど、三越百貨店だけに、ここからがまた楽しいの。
ワンフロア上の「英国展」で紅茶とスコーンとショートブレッドとモルトビネガーを物色し、
バスペールエールとシェファーズパイのイートインに心動いたり。
ほかのフロアに移ってからは、パリの髪飾りをつけてみたり、兎の帽子をかぶってみたり…
そしてさすが日本橋三越、呉服フロアの充実していること。
「ジャイアンツセール」で唐織りの名古屋帯が仕立て芯込みで5万ちょっとなのには、正直心がぐーっと傾きました。染め帯も。
結局私は、ワゴンに出ていた袱紗サイズの小風呂敷と、きものバッグ(3000円はお得だった)、
愛用している松栄堂のお香を手にいれた。松栄堂の品揃えは気が利いていたな。
そうして、そのまま地下にもぐって地下鉄で帰る。

うーん、楽しかった、楽しかった。三越、すばらしいな!心憎いぜ!
伊勢丹と合併しても、こういう王道のよさは絶対に残してほしいな〜!

三越歌舞伎

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2007/10/post_6.html

三越劇場・三越チケット
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/theater/

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2007/10/01

親の愛(木久蔵襲名公演)

彼岸を過ぎたにもかかわらず夏がぶりかえした。
絽を着なければ歩けないようなかんかん照りの9月末である。
木久蔵が木久扇になり、きくおが木久蔵になる襲名公演を見に行く。
小朝師匠、小遊三師匠が出ており、にぎにぎしい襲名公演。
でも正直、全体的に「…」だった。
小遊三師匠と木久扇師匠の噺は楽しめたのだけれど。

「おもしろくなーい」のおもしろ…の辺りでまぶたが重くなってしまうのである。
小朝師匠の演目は、以前末広亭でかかっていたのと同じで、末広亭のほうがよかった。
新・木久蔵は、なんともいえず疲れる声で、私、あろうことか「下げ」でぐっすり眠ってしまったのである(!)
確かに私は落語に明るくない。しかも、午前中、トレーニングに行ったばかりで、けっこうぐだぐだであった。
それでも、ちょっと、なぁ…

いちばんこころに残ったのは、息子を案じて必死の木久扇師匠であり、
小遊三さんのどーんと太く気持ちの良い声であった。
ああ、どうしよう。1ヶ月後の公演のチケットも買ってしまったんだけど…


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2007/09/22

文楽「夏祭浪花鑑」

今月は文楽月間。
というか、一番見たかった「夏祭浪花鑑」。
(たとえ寝不足でうとうとしようとも!だ。)
夕方から打ち合わせするので、キモノは控えた。
もっとも、彼岸なのに真夏日で、何を着ていいかわからなくなるような陽気だったのだけれど。

「夏祭浪花鑑」、主要な登場人物が身を挺して守る主人は根本的に女にだらしなく、女はしつこい男を謀って殺し、金に汚い義理の父はなぶり切りで殺すわ、最後にはお縄をちょうだいせずに追っ手から逃げていくわ…
以前、コクーン歌舞伎で観ていらい、この陰惨な話がけっこう好きな私。
舞台を今の歌舞伎町に移してもいけそうな気がする。

「長町裏の段」「田島町団七内の段」が観られればいいやと思って行ったのだが、
いや、「かっこええ〜」の一言に尽きた。
人形もかっこいいし、大夫、三味線もかっこいい。
大夫の語りの自在加減(何人もの声を使い分け、物語を紡いでいく)、BGMの三味線のにくさ。
声の質がすばらしい。腹の底からとどろき渡るような声。あの声で語られるから、ストーリーも「運命…」として生きていくのだろう。そして、運命の縛りの強さをうんと感じさせるような年かさの大夫は妖怪のように見えてくるのだった。
声を出す仕事は、長生きしそうだなぁと思いましたよ。

お昼ご飯は、演目にちなんで大阪寿司。
打ち合わせを終えて、家にたどり着くとけっこういい時間になっていたので、晩ご飯は「野蛮な夕飯」にする。
すなわち、男子大学生のように、豚肉の塩コショウ焼きと、ありあわせの野菜炒めでビールを飲んじゃうということである。
豚の塩コショウ焼き、茄子とピーマンの炒め、ほうとう。ビールぐんぐん。
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2007/09/18

文楽『菅原伝授手習鑑』

文楽の感想。苦手かな〜、と思っていたのだが、意に反してけっこうおもしろかった。
以下、感想のメモ。

見えないことになっている人形遣いと黒子を従え、浮遊しながら歩いたり、浮遊しながら登場したりする人形の、作り物の白々しさと奇妙な生々しさがないまぜになって、不思議な感じ。
大・中・小のボディを使い分けて、奥行き感を出したり、
シーンによってボディサイズを変えて、カメラが引いたような効果をだすのもよく考えてあるナーと思った。
太夫が交代するときの、回転ドアみたいな舞台装置がぱたん!と早く回るのも(私はこれが好き)
太夫と人形の境界がなくなって行くみたい。

見える体は人も人形も現か虚かわからなくなっていくのに、
聞こえる声だけが、生々しくリアルなものとして、ストーリーを縛って導いていく。
ふと、映画『ふたりのベロニカ』の、人形を使って俯瞰と超凝視の世界をまぜながら異相に連れて行かれる感じを思い出した。

日本画で、歌舞伎のシーンを描いたものに、浮遊している画があると、
なんであんなふうにきものの裾を描けるのかな?と思っていたのだが、
あれは文楽を見れば、なるほど描けるよな、と納得。

次回は昼の部、「夏祭浪花鑑」を見に行ってみよう。
分からないなりにまた面白いかもしれないし。
とりあえず、歌舞伎では見てるので、話がわからん!ということはないだろう。

しかし、こんなに伝統芸能系を見に行くようになるとは思っていなかった。
こんなことなら、大学のときにもっと身を入れて伝統芸能の授業を聞いておけばよかったかな。

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2007/09/17

新宿にメキシコ

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ここ、東京のど下町なのに、メキシコみたい。わたしはメキシコ行ったことないけど。

ジムに行って偽の自転車に乗ってクロマニヨンズ聞きながら、架空の5km先の国まで大冒険をする。

母にきものを着せて、夕方から国立劇場で文楽「菅原伝授手習鑑」。
歌舞伎でよく観る演目を、通しで観るとまた別の発見がある。
これについては、書き始めたら長くなっちゃったので別項にて。

終わった後、劇場バスに早足で向かって(国立劇場はこれが味気ない…)、
新宿行きのバスでばびゅーんと帰る。
母は東京駅行きに飛び乗り、上野から寝台列車で鶴岡に帰る。

帰ってからファミレスで夜お茶し、洋なしと鶏肉・豆腐を物々交換する。
晩ご飯を食べ損ねていたので、ついでにキノコとチキンのシザーサラダ。
塩気と油気とタンパク質と、野菜のしゃりしゃり。
今日の感じにはこれがちょうどよかった。

11時過ぎにはモーロー。
ああ、意外ともりだくさんな一日だったんだな。

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2007/09/06

「歌舞伎美人」市川右近インタビュー後編^

歌舞伎美人のインタビュー記事、後半もアップされました。
http://www.kabuki-bito.jp/special/mitsukoshi/06/
右近さん、ばりっとしたいい男だったなぁ…ふぅ…(あ、ミーハー?)

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2007/08/23

納涼歌舞伎

昼はさんざん甲子園でもりあがり、夕方から今年は無理かも?と思っていた納涼歌舞伎にでかける。
昨日、なんとなくチケットを調べたら、三階の一列目が待ってくれていたように空いていたのだ。
こういうめぐりあわせにはじゃんじゃんのった方がいい。しかも通し狂言をきちんと観る機会は意外とない。きものは、初めて袖を通す祖母の横絽にした。缶ビール、快調にすすむ。

18時からの第三部は通し狂言「裏表仙台萩」。勘三郎さん、大活躍である。
ふと劇場を見渡すと、二階席に頭のてっぺんに新鮮な生卵の黄身を載せたようなはげ具合の人がいた。
気の毒なくらいに照明がぴったりと脳天を照らして、黄身の部分がてりてり、つやつやと光るのである。周囲はけっこう黒々として、ザビエルのようなヘアスタイルなのだ。
舞台では、鶴千代ぎみが毒菓子を勧められてピンチなのだが、ちらちらと黄身の人を見てしまう(どうやってあのような…)

勘三郎さんの役の中では、小助が好きだった。政岡も、よかったけど。
それと秀太郎さんの栄御前も印象に残った。
そうこうして観ているうちに、まったくチケットがとれない二部、一部も観たくなってきた。むむむ。

家に帰って遅めの晩ご飯は、ベジメニューとした。なす、オクラ、アスパラ、カラーピーマン、椎茸、トマト…と野菜盛りだくさんのパスタ。今日は鶴岡の産直「しゃきっと」便が届いたので料理が楽しい。トマトの青臭い香りだけでうっとりだ。
生活クラブで買ったとっておきのニューオークボの生パスタの封も切った。幸せだ…

「熱闘甲子園」で、甲子園の感動を反芻して寝る。

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2007/08/19

「歌舞伎美人」にて市川右近インタビュー

歌舞伎のポータルサイト「歌舞伎美人」にて
歌舞伎役者の市川右近さんのインタビューをさせていただきました。
http://www.kabuki-bito.jp/special/mitsukoshi/05/

秋に三越劇場で行う三越歌舞伎についてうかがいました。
朗らかで、頭脳明晰、すかっといた「いい男」でしたよ。
ちょっと覗くかわいらしさがまた魅力的。
歌舞伎を心から愛して、真摯に演劇に取り組んでいる。
男っぷりが、またぐんぐんと増していくのではないかしら…と思いました。

くわしくは、歌舞伎美人の記事をご覧いただきたいのですが、
1、小さめの空間で役者を間近に見ることができる
2、上演時間がコンパクトで、平日仕事を終えてからでも間に合う回がある
3、知らなくてもわかりやすい題目
4、今どんどん力を蓄えている役者さんたちの歌舞伎はまた別物!
という理由で、
○歌舞伎に興味があるけれど、まだ見たことがない方
○おもだか屋さん(スーパー歌舞伎の猿之助さんの一座です)の歌舞伎にご縁がうすかった方
に、三越歌舞伎は特にオススメです。

えー。友人のどなたか、三越カード持ってませんか?
三越カード優待があるらしいのですが、一緒に行きませんか(笑)?

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2007/08/18

バス散歩「怪談乳房榎」

小千谷縮をざくっと羽織り、バスにのってぶーらぶーら、国立演芸場中席を観に行く。
噂に聞いた漫才師「Wモアモア」の仲が悪そうな感じ。安そうなスーツに身を包み、張り付いたような笑顔で話す。これはこれで味。
そして扇鶴さんの音曲…わたしゃ始めて音曲というのを観たのだけれど「…ンネ〜ェ」という語尾が頭にこびりついて離れない。
仙台四郎によく似た小南治さんの声量も気持ちよかった。

メインの出し物は桂歌丸師匠の「怪談乳房榎」。
円朝師匠の大作を歌丸師匠がやる、という。
張り切ってとった指定席は、1列目歌丸師匠の真ん前、つまりかぶりつきであった。

歌丸師匠、あるいみ、その存在がすごい。
骨に張り付いたシミとちりめんじわで顔が構成されている。
正座した膝が、うすい。(骨せんべいとは、まさに…)と心の中でつぶやく。
しかし、しかし、高座の歌丸師匠はそれ以上にすごかった。
巧みな語りで江戸の時代に引き入れたかと思えば、ある時は残忍な武家崩れの絵師に、ある時は正直だが心の弱い百姓に、はたまた幽霊に(照明を浴びて、まさにリアルな?幽霊ぶりであった)
くるりくるりと自在に変化するのだった。
噺家は、演者なんだなぁ…とため息をつき、拍手喝采。

「怪談乳房榎」、舞台を歩いて知っているのもよかった。
隅田川の東岸、馬場下、落合、十二杜…
普段からめちゃくちゃに散歩しているので、アップダウンも含んだ距離感がつかめる。
そのころの馬場下の田舎具合、落合の雰囲気、十二杜の滝の恐ろしさ。
「隅田川を越えて、田原町、小石川から四谷の辺りにさしかかったころには…十二杜にたどり着いた頃には」なんていう下りを聞くだけで、脛がぱんぱんに張ってくたびれるようだ。

帰り道も、バスで1本。三宅坂から麹町、四谷…と移動していると、
こんどは頭の中に百閒先生が去来する。
日比谷から三宅坂を通って牛込まで帰ろうとするのは…「東京日記」だったか。
ああ、ああ、なるほど、なるほど。
バスが好きなのは、昔の都電のあとがバス路線とかぶっているからなのかもしれない。
書物の中で親しんだ言葉をつたっていく不思議さ、おもしろさ。
夏の陽炎の向こうに、幻の街がゆらゆらと姿をあらわす。
知っているような気がする、むかしむかしの街の息吹。
陸軍の馬が歩き、しわになった夏羽織を羽織ったおかみさんはふろしきづつみをかかえ…
どっと土埃がたった、と思うと、そこは再びアスファルトの街になっている。

夜は「乳房榎」の興奮そのままに、馬場エリアをやたらと散歩。
よさそうな岩盤浴屋を見つけた。今度行ってみよう。

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2007/07/06

すこぶる若旦那的

Pict0004_5

平日の昼日中から、ポーラ(サマーウール)のきものに着替えて、噺をききに、半蔵門の演芸場にいく(若旦那のような行動)。
昇太さん、歌丸さん、両人かかって1800円は値打ちでございましょう。
柳太郎さんの真打ち昇格お披露目なのでご祝儀的な内容なのか。
落語の口上ははじめて見たけれど、歌舞伎に比べるとだいぶん気楽。
でもそれは、普段の厳しさがかいま見える気楽さの演出であって、落語は落語で厳しい世界なのだろう。

前の日にお酒を飲んだつかれが微妙にあって、前座の間はぐうぐう寝ていたけれど、それもまたちょうどいいかんじ。
声がきこえねえよ!なんてヤジが飛んだりするのも江戸っぽい風情でありました。

帰りがけに短冊を結んだり、お茶をしたりしてささっと帰る。
通りがかりに、風前の灯火と思われる「新党日本」の本部をみつけて、ぱしゃり。
思ったよりもずーっと小さい、政党本部だった。

Pict0002

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2007/06/26

血の結束(六月歌舞伎)

千秋楽に駆け込みで歌舞伎を観に行く。
幸四郎さん×染五郎さんの親子を観るのはひさしぶり。
昼の部で染五郎さんのお子さんの初舞台を観るのが本当なのだろうけれど、夜の部にて。
まずすることはおみやげ用の「米吾」サバ寿司を買うこと。
染五郎さん声がかすれており、連日の熱の入りようを感じる。

それにしても、化粧を施すと、
吉右衛門さんと幸四郎さんは本当に似た顔になる。
さすが兄弟…そして染五郎さんが出てくると、
ますます「親戚が一堂に介しました」という顔並びになる。
法事で親戚がどーっと顔をそろえたときみたい。
ひとりひとりの顔はもちろん違うんだけれど、鼻や目、骨格など
同類項の輪がかさなって、一族の系統がくっきり浮かび上がってくる。

そして面白いのは、男兄弟独特の緊張感というか、気の張りが出てくる。
相手を認めながらも、少しでも相手より抜きん出ようとする。
気安さと負けん気で、風をはらんで大きくふくらんだ帆のようになった男の人たちはぴかぴか魅力的に輝きだす。
「負けたくないな」と思っているときの男の人のみなぎりは、だから好きだ。

三階東席も好きだ。
お客さんの顔がよく見えるから。
途中、「ん?」と思うようなおしゃべり声が聞こえてきて
普通ならイラっとするところだけれど、
声の主が耳が遠いらしい老夫婦だとわかればほほえましくなる。
奥様と一緒に枡席にすわった男性が、だんだんリラックスして
とうとうゆるい身構えになっていくのもわかるし、
花道横のおばさんが、どの役者がひいきなのかも分かったりする。
特定の人が現れると顔にスポットライトがあたったようにぱっと華やぐ現金さは
どんなにビカビカの成金のかっこうをしていてもかわいらしいものだ。
実は3階席にはけっこう居眠りしている人もいて(私もときどき居眠り、します)
ザ・娯楽!な空間になっているところもすき。

本日素直に「かーっこいい!」と思ったのは
最後に知盛が花道からひっこんでいくところの
太鼓と笛のソロパートだった。
怨霊の大きな気配がぐるぐるとやりこめられて伏せられていく激しさ、空気の乱れを
2人が花道の舞台根っこに出て、BGMをつけていくのだが、最高!最高!

帰り道、興奮さめやらぬまま「ライオン」に入り、
ビヤガーデンのようなジョッキとエーデルピルスを呑む。
しかしいつもながら食べるものがない…
キリンシティプラスを見習って欲しい!
と同行の友人とうなずきあう。

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2007/06/14

鶴瓶、正蔵、歌丸「夢の三人会」

関東が梅雨入りした日。電車に乗って噺を聞きに行く。
末広亭に歩いていけるところに住んでいるのに、
はるばる、中央線で三鷹まででかけ、駅からてくてく歩く。
一足ごとに、ジーンズの裾が重くなっていく。
人と通り過ぎるたびに傘のしずくが肩に落ちる。
水の入った袋の中で歩き続けているような気持ちになったとき、会場に着いた。
すぐに開演。

鶴瓶さん、大きく雪輪を織りだした紬がしゃれている。
「青木先生」ぴー。
ははぁ、殺気を感じさせる噺ぶりだと思う。
楽しく聞かせる技術。笑わせる技術。
安心して、心おきなく笑う。

正蔵さん。
人の良いお坊ちゃんのような顔で一生懸命しゃべる。
一生懸命だ、一生懸命だ。これはがんばっているなぁと思っていたら、
彼がやった演目を忘れてしまった。
枕の、お父さんがいまわの際に「本名分かりますか?」と聞かれて
家族一門の前で息も絶え絶えに「加山雄三」と答えた、というエピソードが一番頭に残ってしまった。
もうこぶ平ではなくなっていた。歌舞伎でも感じるけれど、襲名の力って面白い。

歌丸さん、3日前に大宮で同じまくらを聞いた人が座っているとは思わなかったに違いない。
同行の友人が、大宮で聞いたまくらとして電車の中で話してくれたこととまぁだいたいおなじだった。
色街で育ったというエピソードである。
そして噺は「ねずみ」であった。
腰の強い噺だと思った。また違う演目を聞いてみたいと思う。

ああ、いいものを見た。聞いた。
ジーンズはすっかり乾いていた。
バスにゆられてひさしぶりの吉祥寺、そのまますとんと帰る。仕事ごはん仕事。
白いおかゆに梅干しとのり。すがすがしい胃袋。

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2005/08/20

8月15日  油の中を歩く

黙祷から始める一日。暑い。
きものと肌の間をだくだくと汗が滑り落ちていく。
アスファルトに落ちる日傘の影は
そのくっきりさの割に少しも暑さを和らげてくれない。
温められた油の中をあるいているような気がする。

夕方からマリコと納涼歌舞伎三部へ。
串田歌舞伎「法界坊」。
死んだ生臭坊主が殺されたお姫様と合体した
お化けになるというトッピな話(そういうトッピさ、私は好きだ)。

串田演出ならではのろうそくづかいが醸し出す
陰惨な空気と、ちょっとの笑いと。
あのトゥーマッチな感じがいい。
面白かったな〜。

ごはんはりいさんリコメンドの
歌舞伎座のおでんやさんで。
真夏でもつゆを飲みきっちゃうほどおいしい。
お金をはらう意味のあるおでんって
実は少ないから、貴重だ。
メニューはおでんとところてんだけ。
はふはふのはんぺんをくわえながら
誰かが注文したところてんをつくのを眺めている。

宙に放たれたところてん、つるん、きらり。
欄干にもたれて川底を眺めている気分。
目は夏で、腹は冬で、空調はオールシーズン。
こここそ不思議の国です。

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2005/08/18

8月某日 納涼歌舞伎、夏バテ

納涼歌舞伎、二部と三部を
続けてみようと思って出かけたのだけれど
二部まで見て帰ってくる。
(チケットは、幕見席に並んでいる人に転売)
今日はこれ以上見ても寝まくるか
よくわからなくなる、と思って。
三部はもう一度チャンスがあるし、
二部だけでもかなり堪能したし。
演目についてはまた日を改めるとして
染五郎さんの踊りが印象的でした。

ああ、これは夏バテかしら。
水をとって、どんどん汗をかくのに
だるい。悔しいけど疲れてる。

ご飯を食べるのもおっくうだからほうっておくと
いよいよ体が動かなくなってくる。
こりゃあいかんと大慌てで
ご飯を食べると
血が胃に集まって脳みそがボーっとしてくる。
貧血みたいにクラクラして具合が悪くなるのだ。

なんてはなしを友人としていたら、
「おなかがぎりぎりに空くまでほっといて
ガツガツ食べるからじゃないの〜。
女の子はもっとゆっくり食べるでしょう」
って、あんた、見たようなことを。
でも確かにそういう食べ方している気がする。
仕事で気が立っているときは特に。
…気をつけます。

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2005/08/10

8月5日 小朝師匠、ビアラリー大勧誘

庭のトマトがなかなか赤くならない。
茄子は水をかけるだけ大きくなる。
伏見唐辛子も早いんだ。
むくむくと夏が大きくなるのをみるうちに
むやみと眠くなる。
畳の上でぐっすりと2時間も昼寝する。

夜は中野ZEROで春風亭小朝独演会。
初めての小朝師匠だ。
5升の酒が飲めるか賭ける話。
もうひとつは、唐茄子売りの話。
(落語好きの方、ただしい名称を教えてください)
面白かったが、酒を飲む話は
歌舞伎の「魚屋宗五郎」の方が好きだな。
勘三郎さんのコミカルでやがて哀しい宗五郎と、
菊五郎さんの色っぽい宗五郎、どっちもすき。

バスで渋谷に出て、「イドロパッド」へ。
店員さんの失礼な応対(想像力のない、お粗末な接客!)にむっとしながらも
ビアラリーのスタンプを押してもらい、
同席のみなさんにもビアラリーに参加してもらう。
早々に店を変えて焼酎などのんで話し込むうちに、
気づけば夜が更けていた。
タクシーで帰還。

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2005/08/02

7月28日 シェイクスピア歌舞伎、うなぎ、天才ビール

出がけに浴衣のおしりが破けた。
あわてて小千谷ちぢみに着替えて
マリコと落ちあい、銀座へ。
今日は『十二夜』。
マリコさんは大学で空間デザインをやっていたので
今回の蜷川舞台はたいそうおもしろいことでしょう。

歌舞伎座に向かう途中で
ガクトの「二ヤー」のまねをしてみせると、マリコ驚く。
「わわ、オークボさんにそっくりだ!す、すげえよ」
彼ら、親子ですからねえ。

舞台はすばらしかった。
月初に観たときよりもたいへんこなれていた。
それにしても菊之助さんが女形をやると
本当に寺島しのぶにそっくりだ。
彼らもまた、姉弟という血で結ばれているのだなあ、と思う。
幕間、マリコは「かわいい、かわいい」と唸りながら
手ぬぐいをやたら買い込んでいる。

大野屋で足袋を買うと、
またしてもマリコてぬぐいを買う。
その後、土用の丑の日なので、竹葉亭でうなぎを少々。
マリコさん今日が誕生日なんですから、
これはもう大人の儀式といってさしつかえない。
同じく誕生日のg仔にもメッセージを吹き込む。

調子に乗って「くのや」にまわる。
またしてもマリコてぬぐいを買う。
そうして、銀座ライオンでビールにする。
ここの海老原さんという方はゴッドハンドで、
この方が注ぐと、どういうわけだか
天才的に香り高くおいしいビールになる。
(私は、個人的に海老様と呼んでいる。)
またたくまにグラスで3杯。
マリコさんは私を「ビッグファン」と呼び、心酔ぶりにウケていた。

そのあと、りゃうこと待ち合わせて
須藤夕子ちゃんの個展初日に顔を出し、
「びにまる」でうまいチーズなど食べ、まさにもりだくさんの一日であった。
というよりも、やり過ぎであった。
風呂に入り、水を飲み、経絡リンパマッサージをして
落ちるように寝る。

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2005/05/26

5月19日 自転車、ゲルマニウム、夏のにおい

きのうtomoさんとメールでやり取りをして、
昼のうちに高円寺でゲルマニウム浴をしよう、ということになった。
バスと電車にしようかと思っていたが、
自転車で、びゅーん!
五日市街道伝いに走ると、高円寺ってけっこう近いのです。
15分とかからない。

「石井カイロプラクティック」、ここは
スタッフがさばさばしておりたいへんよろしい。
癒し系スペースで、陰気なスタッフだと
私は二度と行きたくなくなる。
じとーっとしていていやなんだもの。
そういうサロンにかぎって
掃除がいきとどいていなくて
そのくせ水をつかうもんだから
なんとなくほこりとカビのにおいがするのだ。

サロンにいる間、テレビの収録の打ち合わせの電話がかかってくる。
私は先方の希望のような人間ではない。
27歳の丸の内勤務、
赤いアウディのエンジンをかけると
やおら円生が大音量で…
って、無理!無理!
きもののお出かけ先を模索しているうちに
案外落語も好きになっただけのへっぽこ落語ファンにとって、
落語ブームの代表をつとめるのはちと気が重い。
はたして大丈夫だろうか。
でもおもしろそうだからやりたい。

空気は熱く乾いて、室内はほんのりエアコンの風。
カフェマーブルでごはんを食べると
体がきもちよくだるく、もう昼寝したい。
岩のりのパスタを腹に収めるうちに、
頭と体がぐにゃぐにゃ小学生になっていく。
夏のプール帰りみたいだね、なんて話していたら
今年始めての蚊にくわれた。

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2005/05/24

5月17日 野蛮な体へ、歌舞伎のこと

昨日の「勘三郎襲名記念五月大歌舞伎」のすばらしかったこと。
幻想の鷺娘、めくるめく野田歌舞伎。
踊りというものは、全く分からないと思っていたが
見ているだけでだんだん分かってくるものなのかもしれない。
「鷺娘」の玉三郎さんは怖いくらいにきれいだった。
「研辰」もそうとう面白かった。
ひびのこづえの衣装も、太鼓橋をまわしながら使う舞台も。
案の定、台詞はモーレツに早口なのだけれど
歌舞伎役者でなければできない発生だったり
足腰の塩梅だったりする。

それにしても「義経千本桜」の菊五郎さんといい、勘三郎さんといい
お年では考えられない足腰の強さとバネの強さ。垂涎。
すばらしいなぁ。
あれの洗練された女バージョンになりたいなぁ。
動物として強い生き物になるのが
私の目標だ。野蛮で強い体になりたい。
例えて言うなら走り続けられる体だ。
ばてなくて、しなやかで、強度のある体。

仕事の上では、今週はややペースを落としながら走り続け、
来週はハイペースな走行予定なので
今日は夕方からグルーミングの日にする。
髪を切り、体をもみほぐし(胃が飛び上がるほどに痛い)
毒気を抜いて、寝るべし、寝るべし。

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2005/05/23

5月16日 わすれていいよ

朝から滂沱の涙。
4月から「ファイト」を見続けてるんです。
西原さんの絵に添えられた
「わすれていいよ。わたしは忘れないから。」
なんてやさしくて美しい言葉だろうか。

主人公はとうとう学校に行けなくなってしまった。
大人の理解は得られない。
私は元・不登校児なのでついつい肩入れしてしまう。
「術中にはまる」という言葉がぴったりです、まったく。

午後は、銀座で打ち合わせのあと
歌舞伎を観る予定。
野田版「研立の討たれ」と玉三郎さんの「鷺娘」
とても楽しみにしているのです。

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2005/05/21

5月14日 美容整形から小三治まで

朝から美容整形取材。
でも電車の友はひきつづき「どいつもこいつも」。
自衛隊員はやたらと走っている、という一説を読み、
体力つけるにはやっぱりランニングしかないのか、と思う。

今日の先生は、この業界には珍しい「素」の顔の人でした。
受付の方ががんがんいじってる分、よくわかった。
やっぱり顔いじってるのって分かるなぁ。某歌手とか。
淡々と二重の構造について聞く。
取材後、ぺこぺこのおなかを抱えてヴェトナムアリスへ。
食べさせられたり、飲まされたり、急に半絶食になったり。
私が胃なら、上司に訴えてやるところだが。

急いできものに着替え、中野ZEROホールで小三治。
連れはブラッセルズ寄席からはしごだって。
どうりでビールくさいや。
ホールは遠い。寄席で落語を見たいな。
寒い。雨もぱらつくのでぬる燗で温まって帰る。

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2005/05/19

5月12日 まちがいの狂言

9時10分のバスで吉祥寺へ。
フブキで原稿、うちあわせ、そのたもろもろ。
午後美容整形の取材一本。
この業界の人に会うと「どこをいじってるんだろう」と思って
何となく目尻や額、肌質を見てしまう。

きものに着替える時間はなさそうなので、
早めに三軒茶屋に移動。
野村萬斎「まちがいの狂言」を観る。
鍛えられて勘の良さそうな、しなやかな体。
ああ、萬斎さんといい、修造といい、
体がしっかりしている人っていいねえ。
動物として強いものが私は好きだし
自分もそうなりたいのである。
そして「まちがいの狂言」は名舞台であった。
(見逃した方は前回の公演のDVDも出てます。)

もりあがって渋谷でGさんに電話すると
ちょうど同じ構内にいた。
こういうのは神様のおはからいである。
飲みましょう飲みましょう。
いそいそと「VIN」へ。
私赤ワイン、Gさんバスペールエール。
野菜のマリネや豚のビール煮など。

身体性と言語の層について、
仕事上の悩みなどわぁわぁ話す。
ふたりとも、ぐちをぐちにしたくないので、
なんとか前向きな話に落ち着けようとするのがよい。
相手によって語彙(=辞書)を使い分ける、という話をすると
かしこいGさんは
「学生時代は、合コンのときに
短大生用の辞書と4大生用の辞書を使い分けてました」
あら、まぁ、さすがだわ。
そして、結局人間体力なのではないか?という結論を出して、
別れたのであった。東の空は明るい。

空の高いところに、風が吹いている。
朝と夜の境目の空は、菫色をしている。
ふと、気持ちが高揚してくる。
友人に、めぐまれているのう。
仕事のパートナーにも、めぐまれているのう。
「おほほほ…おじいちゃん、ありがとう」と思うか早いか、ばったり、ぐう。

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2005/04/04

3月28日その2 桂枝雀追悼会

DSC00313
恥ずかしながら、上方落語にほとんど触れずに今まですごしていた。
なので、上方落語はほぼ初めてです。
国宝の米朝さんから(ご高齢のためか声が遠かった)
さごばさん、南光さん、
江戸落語からは小三治さん(悲しみを表しながら笑わせる、しんみりおかしい話だった)
…ああ、おもしろかった。
子供のころに砂場で遊んだときみたいな
自由な心持ちになれた。
過不足なく満たされていく
絶妙の快さでした。
そして、会場全体があたたかく、以下にこの落語家が愛されていたかが
よく分かる追悼落語会だった。
それにしても亡くなったあとに
桂枝雀さんの芸に触れるなんて、私のばかばかばか!

帰りしな、写真の看板の前でキョーコさんに声をかけられる。
(会社員だったころ、わたしはこの方にさんざん迷惑をかけたので
今でも恐縮してしまう。)
キョーコさんの旦那さんのお父さんは
上方落語の偉い人、と聞いたことがある。
そして彼女の新しい姓が前田さん…
ってことは、おお、枝雀さんが舅ということか。

帰りは連れへの相づちが
ほとんど今日観た落語からの引用になり
あきれられる。
でもね、そのくらいすばらしかったのだ。

この追悼会は、この後も全国で催されるようなので、
機会があればぜひおすすめします。

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2005/01/28

1月21日 右近と松也【新橋演舞場その2】

20050121ギンザで打ち合わせの後、りゃうこさまと合流してかるく昼ごはんを食べる。
きものの話や仕事の話、その他いろいろ。
そのあと新橋演舞場へ向かう。

右近さんの踊りは本当にのびのびしなやか。
そして松也さんの女形もめきめきと音がしそうなくらい急激に色っぽくなっている。

右近と松也、ふたりの10代の役者を見ながら考える。
「やってみたい」「本当にやりたい」と思ってはじめたことで
ぐんぐん伸びていくときというのはどんな気持ちなんだろう。
何にも感じてないのかもしれないけれど
きっとずいぶん気持ちのいいものなんだろうなぁ。

松緑の踊りがうまい、すごいといわれているのもやっと分かってくる。
優れた身のこなし、身体性の高さ。
踊りを堪能堪能の夜の部。

ちょっとほっとしたのは、「歌舞伎通!!」ってかんじの
おばさまやおじさまも結構居眠りをしているってことだった。
暗くなると眠くなる自然派の私は今までとても肩身が狭かったので膝をうつような気持ち。
これからは堂々と居眠り…はもちろんできないので
なるべく無理なスケジュールで臨まないようにしようと思います。


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2005/01/19

1月12日その2 成人式ときもの

PICT0005歌舞伎の帰り、和装の男性とすれ違った。
痩せ型なのに、なにしろ帯、腰が決まっている。
こっちも着物だったので、自然と視線がいく。
「お、きもの…」
「あら、きもの…」
目線が交差した瞬間は、もう恋の予感?というくらい素敵。

「いやあ、着物がきまる男の人っていいねぇ」
と一緒に行ったヤマナカさんに言うと
「あれは素人じゃないでしょ(歌舞伎座で働くスタッフでしょ、の意)」
うん、きっとそうだね。

風はキーンとつめたい。
空の高いところから風花が、舞いそうな。

ヤマナカがクチを開く。
「普通の人できもの着れる人なんてほとんどいないんじゃん?
最近、成人式の男の子見かけると何?って思うもんね。
大体、20歳くらいの男の子ってキタナイじゃん。」
たしかに、いろんなものがギラギラしてるお年頃だからなぁ。
それにしてもバッサリ言うなぁ、と思いながら
私が口走ったのは
「そうね、サルみたいよね」
私のほうが、ひどい。

続きを読む "1月12日その2 成人式ときもの"

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1月12日 新橋演舞場「海老様菊様」 

obi本日新春歌舞伎とて、新橋演舞場へ。
鮫模様の江戸小紋に縁起ものの帯。
打出の小槌に小判が乱舞する
宝尽くしのこの帯は、毎年1/15までと決めている。

昼の部は11時開始。
10時半には銀座のデパ地下で弁当をしこみたいところ。
昨日から「うずしお巻き」にしようとおもっていたのでさっさと手に入れ、会場入り。

演目は毛谷村、奴道成寺、文七元結。
ひさびさの團十郎・海老蔵と
菊五郎・菊之助の親子に松緑まで。
出し惜しみしないキャストと演目はまさに新春、って感じです。

菊五郎さんが着物のすそをめくってももの付け根まで見せるのは
あれはやっぱり自信があるのかしら?
腿の筋肉がぱーん、もりもりっ、としていて、まったく年寄りくさくない。
(あとで調べたら昭和16年生まれだった)
腰から膝、そしてくるぶしにいたる造形がかっこいい。色っぽいのだ。
前の團菊祭のときにもたしか同じことを思った。
「男盛り」ってこういう感じなんだろうなぁ。
私より年上の娘(寺島しのぶ)がいるのになぁ。すごいなぁ。

ロビーには富司純子さん(菊五郎さんの奥様)もいた。
顔が小さい!白い!きれい!
着物姿もかっこいい…眼福。

「おっ」と思ったのが岡村研祐改め尾上右近。
以前、何かの時に見て、忘れられない踊りをしていた役者さんだ。
教えられたとおりに踊る子役の中で
本当に踊るのが楽しくて大好き!
というばねのあるしなやかな踊り手だった。
1992年生まれ…13歳なのか。

勢いづいて、幕間に別日の夜の部チケットを買い求める。
菊之助さんの「狂おしい女」が観たいのだ。


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