2007/11/25

水を喰う、土を喰う

畳の上に、熟れた柿に雀やムクドリがたかる影がおちる。
冬の長い陽が差し込む部屋で、こたつに寝転んで、『また会う日まで』を読み進める。
こたつの上には、ぬるくなったお茶。このままうつらうつらしてもよい。
頭がぼーっとするような、冴えていくような時間。
ああ、この時間が欲しかった。
「ちんちんさーん」とともに奇妙な人生を渡っていくジャック。

午前中は、茄子の始末をした。
まだ実を付けているのをすべてもいだあとで、枝を切っていく。
上1/4ほどが霜枯れた茄子は、2Mほどの大きな垣根になっている。
師匠も私も花粉症持ちなのだが、この茄子のほこりで目やノドがやられるのだった。
畑仕事がすばらしいことばかりではない、ということを、この1年粘膜や皮膚を通して知った。
農薬をすべからく否定することのバランスの悪さも同様に知った。

くすんだような香ばしいような晩秋/冬の匂いは、枯れた草木の匂いだ。
イチジクは、霜に当たってかじかんでしまった実が多く、とうとう実を太らせるのを諦めるだろう。
里芋も、南方系らしく、あれだけ大きく張っていた葉がすべて縮こまってかれている。
足元では、水気をたっぷり含んだ白菜と大根が張っている。
霜でくすんだ葉に鮮やかな小菊の清々しい匂い。
見渡すと、恐ろしいほどに抜ける青空を背景に、富士山がそびえていた。

茄子は芥子漬けにすると言う。
うちの田舎・鶴岡ならば、夏真っ盛りの水気を含んだ茄子を使うところだが、
果たしてこのあたりでは、終いのつまった茄子の始末にするのだ。へええ。

そもそも、ここ甲府と鶴岡では、野菜の「おいしい」という基準がまったく違う。
一番面食らったのは茄子で、甲府のおいしい茄子と鶴岡のおいしい茄子の基準があまりにもかけ離れていたので、最初はおいしい…の?と思ったけれども、だんだんと分かるようになった。
どっちもおいしい。どういうふうにおいしいかが違うってことだ。
「切る」でも、まな板の汚れ方が違う。「茹でる」でも、下ごしらえ後の鍋のお湯の色がまったく違う。
甲府の野菜は味が濃い。転じてアクも強い。その濃さの中で、旨味を味わい分けているという感じ。
鶴岡のうまい野菜とは、どこまでもみずみずしいなかに、あっさりと繊細な味がのっている野菜だという感覚がある。清水を噛み締めるような野菜の時もある。
しいて言うならば、「土を喰う」と「水を喰う」ぐらいのちがいがある。
そういえば、鶴岡ではアク抜きをしたことがほとんどない。
いわゆるアク抜きをすると、繊細な旨味が抜けてしまうからだろう。
そうなると、当然同じ野菜でも料理の方法や野菜の下ごしらえの方法は変わってくる。
味付けのむき不向きも出てくる。こういうことが面白いなぁ。

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2005/10/16

10月13日 秋のまっただ中で草引き

空を眺めていたら、今年はもう茄子は終了だ、と気づいた。
秋雨の隙にやってしまう仕事に手をつけよう。
新しい畑を作るために夏野菜を引き抜いて、
草を抜いて、堆肥をすきこむ。
(今度は小松菜と水菜にするのだ。)

花壇には秋草を植え込む。オミナエシ、ケイトウ、リンドウ、シュウメイ菊。
色が深い。夏の光をためにためて、深まった色だ。
球根を買い込んで、春の庭の設計図も引こうと盛り上がる。
背中に当たる日差しが気持ちいい。
そういえば、土の匂いも秋なのだ。
9月は暑さの中に必死で秋を探していたけれど
10月は純粋に秋だけで構成されている。
夏はどこかに行ってしまった。ほんとうに嘘のように。
季節が巡るたびに静かに驚いてしまう。

せっせと身体を動かしていると
巨大な芋虫がゆっくり目の前を横切った。
…バラの新芽があらかた食べられていた。
アゲハからシジミまで
多種多様な蝶が訪れては産卵していく。
ちょっと目を離した隙に、驚くばかりの芋虫ガーデン。
秋バラはもうだめかもしれない。

お隣の家に、泥水のたっぷりたまった鉢カバーがあって、
蚊が涌きまくっていたのを頼んで処理してもらう。
鉢の水ウケとか、なんでも水のたまるものがあると
蚊は暴発的に増える。
今日の一番の収穫は、多分これでした。

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2005/08/10

8月5日 小朝師匠、ビアラリー大勧誘

庭のトマトがなかなか赤くならない。
茄子は水をかけるだけ大きくなる。
伏見唐辛子も早いんだ。
むくむくと夏が大きくなるのをみるうちに
むやみと眠くなる。
畳の上でぐっすりと2時間も昼寝する。

夜は中野ZEROで春風亭小朝独演会。
初めての小朝師匠だ。
5升の酒が飲めるか賭ける話。
もうひとつは、唐茄子売りの話。
(落語好きの方、ただしい名称を教えてください)
面白かったが、酒を飲む話は
歌舞伎の「魚屋宗五郎」の方が好きだな。
勘三郎さんのコミカルでやがて哀しい宗五郎と、
菊五郎さんの色っぽい宗五郎、どっちもすき。

バスで渋谷に出て、「イドロパッド」へ。
店員さんの失礼な応対(想像力のない、お粗末な接客!)にむっとしながらも
ビアラリーのスタンプを押してもらい、
同席のみなさんにもビアラリーに参加してもらう。
早々に店を変えて焼酎などのんで話し込むうちに、
気づけば夜が更けていた。
タクシーで帰還。

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2005/08/09

8月4日 悪事をはたらく

朝、とろとろの目で必死に「ファイト」を見る。
そして昨晩のことを反芻する。

食べ物を、「はしり」と「盛り」と「名残」でとらえて、
異なる季節のはしりと名残を出会わせる。
いろんなものに丁寧に手をかけて、季節を味わい尽くす
日本料理の世界ってすばらしいと思った。
青山「馳走 喜多おか」
鱧のあぶったのが香ばしくって、脂もおいしくって。
鱧の打ち子(卵)もおいしかったな。
鮎も食べたな。茄子も、イチジクの天ぷらもおいしかったな。
長いものグラタンもおいしかったな。
〆は香り高い手打ちそばだった。
Gさんに「悪いことでもしてるんじゃないでしょうね」って言われそうなごはん。

あと、頭の良いひとの話というのは聞いていて面白いもんだなと思った。
私は、感性とファンタジーの世界で生きているので、
論理的な人のお話を聞いていると、ひたすら感心する。
そのうえ、世界を深く汲み取ることができる人だと、なおさらだ。
かしこい人はいいねえ。

うだるような暑さ、とは今日のような日のことをいうのだろう。
庭ではグラジオラスが本格的に咲き始めた。
布団を干したいが、今日も終日フブキに詰めている。
洗濯物だけ、ぴゃーっと干して、でかける。

今晩は鶴岡友の会(笑)でご会食。
ますますもって「悪いことでもしてるんじゃないでしょうねえ」。

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2005/08/08

8月3日 カレー日和

「今日も暑い一日となりそうです」
ニュースキャスターが言ったとたんに蝉がいっせいに鳴き出した。
8時35分。

今日も洗濯日和だ。
ここのところの暑さで、花が勢いよく咲いては散っていく。
散ってしまうのは残念だけれども
一夏咲き続けます!と、そういう草花(最近遺伝子改良でそういうのが多い)は
つまらない。造花みたいで。
うつろうのが花の良さなんだと思う。
グラジオラス、キキョウ、3度目のバラ。
礼肥をあげないと。

出かける支度をしていたのだけれど、
たべごろの伏見南蛮を収穫しているうちに
しっかり昼ご飯を食べたくなって
予定を変更する。
カボチャの入った夏野菜カレーとラタトゥイユ。
はらがくちくなってゆったりした気持ちで「ファイト」観る。
大団円に向かって
登場人物達が足並みをそろえてきた。
久々に渡辺徹も登場。


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2005/08/06

8月1日 オレンジ&ヘチマ石けん

PICT0001
昨日はタクシーの中で新しい月をむかえた。
なので、寝る前に、8月になったら解禁と決めていた
マークス&ウェッブの夏石けんの封をきりました。
オレンジとヘチマの石けん、いいかおり。
透き通ったカンパリソーダ色。おすすめです。
直営店でないと手に入らないようなのです。

起床7時。まず茄子をもいでしまう。
そのあと水やり、洗濯、掃除、窓みがき。
気になっていたところをちょっとずつ。
トイレも掃除して、家中のふきんや手ふきを交換していく。
うーん、すっきり。
お腹がすいたので、めずらしく朝ごはんに
かぼちゃと手羽先の煮物。
手羽に下味をつけて調理してあるので
味にメリハリがある。天才味。

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2005/08/05

7月31日 マイ茗荷

まだ昨日のワインの余韻が体に残っている。
空はそれとは対照的にすっきりしている。
何か予感に満ちた夏の朝の澄んだ青さだ。

日が昇りきらないうちに水を飲んで、庭に出て、
片っ端から手入れをしていく。
芝生の刈り込み、雑草抜き、バラの誘引/剪定
けっこう仕事がたまっていたんです。
首に巻いたタオルと麦わら帽子、手袋、蚊取り線香が作業のポイント。
だくだく汗をかくのと一緒に、だるさ消えていく。
気分爽快。

仕事の終わった後の庭は、
散髪から帰ってきたみたい。
襟足がすっきりしてるかんじです。
茗荷と伏見南蛮も収穫した。
うちの庭には茗荷が自生しているので
この時期の薬味には困らないのもいいところ。
茗荷は、今日お邪魔するお家のおみやげにしよう。

ひと風呂浴びて、綿こうばいのゆかたに着替えて
夕方目白に集合。
まだ熱いアスファルトを、木陰がなだめている。
鬼子母神のあたりは、住むのに良さそうなのんびりしたかんじ。
お腹がおいしいもので満たされるきもちよさ。

家に帰って中国茶をいれ
茶葉がゆったりほどけて、開いていくのを眺める。
お茶は、くつろぎのためのものなんだなぁ。
ストレッチをして気持ちよい眠りへ。

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2005/06/10

6月3日 とかげのしっぽ

どうせやることはたくさんあるので
ゆっくり寝坊して、ゆっくり回復し、
ゆっくりたっぷり庭に水やりをする。
と、白く光るレンガ塀に、流線型の光が走った。
葉影にピカピカの背中が一瞬みえた直後、しっぽがちろん、と消えた。
メタリックな色つやと、なめらかな動き。ほうほう。トカゲか。
さーっと風が吹くと、音も立てずにバラの花びらが散った。
正しい初夏の午後である。

ハナは、まだトカゲを捕まえることが出来ない。
見つけると「うっ」となって、
手を出す頃には敵は消えている。
とかげのしっぽが切れるところがみたい、とは
子供の頃からの願望なのだけれど
このネコと一緒では、叶いそうにないなぁ.

夕方、洗濯物を取り込みに出たら、
空気がじっとり重かった。
正しい夕立の気配である。
飲みたいけれど、缶ビールはまたの機会にしましょう。

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2005/05/28

5月21日 小さなお客さま

午後、土曜日を持て余したリョーカが
ひとりで遊びにくる。ひとりで!
お嬢さん、大きくなりましたなぁ。
子供のときって、人んちって興奮するのです。
テレビを見て、庭で遊んで、ご飯を食べて。
それだけでかなりのイベント。
しばらくしたら
変な顔になって「うんち、ぱぱ」とつぶやいた。
困ったらパパだってとこが
オークボ家らしさだ。
パパ、電話するとすぐに迎えにすっとんでくる。
外階段を上っていくパパの足音を聞きながら、
子供の成長に寄り添って過ごせることは
なんとぜいたくなことかと思う。
子供が歩き出した瞬間や
言葉を話した瞬間に立ち会える父親って
とても少ないんじゃないか。

窓の外ではバラが揺れている。
25度をこえると、咲くのも散るのも早い。
そうなんです。「薔薇」って夏の季語なんです。

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2005/05/25

5月18日 夕立の季節

モンシロチョウが、今日咲いたニゲラにとまったかと思うと
ひらひらと飛ばされていった。
風が強い。
西の空に夕立の予感がある。
強いコントラストの雲が陣地を広げてくるまえに
バラを結わえて、一部切り戻しなど。
つるバラは毎年変わっていく姿もたのしみなんです。
来年はここにバラの壁ができる、はず。

やがて、音を立てて夕立がやってくる。
生きもの皆すべて深く呼吸をし、一息ついている。
夕立が去ったあとは、ぐっと冷え込む。
涼しいよりも冷えという感じの危険な温度変化に
服を一枚重ねてCDをかける。

今月はあまり忙しくないつもりでいたけれど
なかなかどうして、けっこうキツキツになってきた。

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2005/05/12

5月5日 被災地のGW

起きて、庭に出ると
クレマチス、バラ、すべて咲いていた。
ちょっといない間によく咲いた。
奇跡を見るようだ。水やりが楽しい。

昨日通った新潟道のことを思い出す。
高速道路がゆがんで、がたごとゆれた。
山の斜面や、集落のそこここに
青いビニルシートが点在していた。
私には修正液のように見えた。
地震の被災地の、まだ手のつけられていない田んぼ。
今の時期に田おこしさえまだだ、ということは
ひょっとすると今年は田んぼをやらないのかもしれない。
田んぼをやらないということの重みを考えて
祈りのような気持ちが湧いてくる。
今日も日が昇って、誰もが前に向いて歩き出せるように。
私も地に足つけて、毎日を暮らしましょう。

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2005/04/25

4月18日 あたしはTVッ子

始まりが好調な日は、全部うまくいく気がする。
最近のゴールデンパターンは6時半起床。
庭仕事をして(7時から風呂にはいることもある)
7時半掃除、8時テレビタイムとともにお茶を飲む。

春のプログラム改変で、わたしはすっかりTVッ子になってしまった。
8時〜「にほんごであそぼ
8時10分〜「ピラゴラスイッチ ミニ
8時15分〜「ファイト
そしてそのあとの5分ニュースで終了、仕事を始める。
完璧ですよ。

ファイト」は、われらがmatsumonicaがアテレコをした、というので
見始めたのだけれど、割ときちんとドラマそのものにもはまっている。
緒形直人が父、酒井法子が母…
予備校ブギ」を覚えてる者にとっては
感慨深い。そして要所要所に馬が出てくるので
オラシオン?」と言いたくなります。
主人公が次々襲ってくる困難にもめげずがんばる、という
王道ものなのも朝の寝ぼけた頭にはいい。
最後に出てくる西原理恵子さんの絵(週がわり)が
全然かわいくないのもまたいいんだなー。
matsumonicaは由紀さおりさんの歌にあわせて
「川の流れのように」を吹いたらしい。
いつでてくるんだろう。

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2005/04/20

4月某日 春はガーデナーの季節

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ああ、庭の芽吹くこと咲くこと。

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2005/04/15

4月8日 庭いじり、桜だより

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バラの新芽を見、忘れていた球根の芽吹きに驚く。
溶けてなくなったと思っていたギボウシやりんどう、
カンパニュラ、ハンゲショウが新芽を出している!
去年、捨て値で買っていろいろ埋めといたのが思わぬ財産になっている。

何かに突き動かされるようにして
庭をたがやし、堆肥をすき込み、
草を抜き、新たな植物をうえる。
桜の花びらが一枚、二枚、
ひらひらと飛んできて、黒々とした土に着地した。

夜。首の後ろがぴりぴりする。
耳たぶも、熱を持ってぴりぴりしている。
思い切り外遊びをした子供のころのように
気持ちいい疲れが身体をめぐって
眠りを連れてくる。
明日を信じる眠りだな、と思うが早いか眠りにおちていく。

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2005/04/04

3月28日 朝のにおい

DSC00316早起きしようと気張って二度寝する。
ゴミ出しにも間に合わない、ほんのり負け気分の月曜日の始まり。
でもいいんだ〜。
空気がしっとりしているから、
今日は花粉の飛散量は少ないだろう。
庭にでて、草むしり少々。
春の雨に暖かい風のおかげで、雑草の伸びが早くなってきた。
春じゃ春じゃ、と喜びながら
西洋オダマキとタマシャリン(ニゲラの仲間だ)をつんでご不浄にかざる。

今日はトイレだけ掃除の日。
これはマリ子さんに教えてもらった家事の方法で、
毎日掃除するのは一カ所だけでいい、というやり方。
全部やろうとするとくたびれるし、時間もくうので
たとえば月曜日は玄関掃除の日、火曜日はトイレ、というふうに分けて
そこだけ徹底的にやる。
床を掃いて、ぞうきんがけをして、
最後に花を飾ると、いいかんじ。
ほかのところは散らかっていても、
ここが清らかなだけで心が安まる。

今日は夜、歌舞伎座で落語を観る予定。
うちあわせを繰り返しながら東銀座へにじり寄るスケジュールを立てている。

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2005/03/29

3月22日 スプリングとサプライズ

軽く雨が降ったので、
これはしめた!と庭に降りる。
最近花粉が気になって、庭仕事が出来ていなかった。
針金や麻ひもを使って、新芽をおらないようにひっぱったりしばったり、
これからの季節の楽しみを仕込んでいく。
アネモネの花を待つうちに
スノードロップが終わり、パンジーの勢いがいや増している。
枯れているようだったクレマチスが芽吹き、
ラベンダーの先のつぼみがふくらんで色がのっている。
この時期の庭仕事の楽しみは、忘れていた植物が一気に芽吹いていること。
そうやって、ある日突然春の乱れうちが始まるわけだ。
スプリングとサプライズはどこかにている。

夜はお出かけをあきらめて請求書を仕上げる。
毎月のことは、きちんと続けることで結局自分を楽にする。
だから、だらけたら、どこかで引き締める。
引き出しにぴたんぴたんとモノをしまうような気持ちで静かに灯りを落として眠る。

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2005/03/03

2月24日  怒ると料理が下手になる話

昨日で終わりかと思ったのにまだ面倒をひきづっている。
時間をよく味わえないうちに午前中がすぎてしまう。

昼ご飯のやきそばは、材料に何の非もないのに
ただ私が怒っているせいで驚くほどまずかった。
とてもかなしい。

怒っていると、料理が下手になる。
感情が雰囲気として周りの人間に伝染していくのと同じように、
野菜にも伝染してしまうのだ。
私は周りを喜ばせたいし、楽しくさせたいんだ。
よしこちゃんに電話してそう伝えると
たまたま同席していた小牧ちゃんが宗哲和尚がよく同じことをいっている、という。

ヒヤシンスの香り肺いっぱいに吸い込んで
お茶を淹れる。
今度はおいしくてほっとする。
自分を喜ばせながらうまく働かせてやること。
好きな音楽をかけてお茶を飲む。
昨晩の記憶をよびさます「both sides,now」村上ゆき。
庭の様子に目を配る。
春一番を感じたか、バラの芽が伸びてきた。
しあわせ〜と思った瞬間にヒヤシンス強く香る。
すごいな。ありがとう。

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2005/02/18

2月11日  男の料理

DSC00235目を覚ますとすでに11時を回っている。
三連休とは昼まで寝られる日のことか。
いやいや、今週の睡眠不足を
ここで全部とりかえしてしまおうというわけ。

久しぶりに庭に降りると、球根の人たち(第二陣)が
むくらむくらと芽を出していた。
第一陣の水仙の花の陰、冬中咲いているパンジーの陰から
アネモネやスノードロップが出てきている。
土をわって出てくる植物はつくづくかわいいなぁ。

原稿をすこしかたづけてから少し出かけることにして
九段下の「花田」から日本橋コレドへまわる。
空気もちょっと暖かい気がする。
靖国神社の黒っぽい緑の下に「遊就館」というぶっとい筆文字を見ると、
戦前、いろんな出店でにぎわっていたという時代の
人々の足どりが眼の先をかすめるような気がする。
『靖国』によれば、ここは今みたいに重たい場所ではなくて、
明治に作られた新名所というか
もっと浮かれた場所だったようなのだ。
坂の向こうには東京湾も見わたせたらしい。
今は白い石の灯台がつめたく立っているだけ。
「花田」では思っていたような鉢にはあえなかったが
見ているだけでうれしくなるような五寸を手に入れた。
今日の球根植物のかわいらしさと同じ種類の愛らしさ。

晩ご飯は奮発して合鴨のオレンジソース。
フライパン一つで作ったにしては上出来。
一口食べただけで身体に血が回る。

しかし、いい皿と出会ったと思ったその晩、別の五寸皿をわってしまう。
疲れが体中に回って、手の先まで気が行き届かないのだ。

今日も寝るだけ寝るぞと決意してふとんにはいる。

写真は古奈屋のカレーうどん。日本橋コレドにも支店がある。

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2005/02/13

2月6日 ガーデニング魂、酒宴のこと

ガーデニング取材で横浜へ。
白楽の住宅地のとっぺんからは嘘のようにぽっかりと富士山が見えた。

7時出発、9時取材開始。
花好きを刺激されながら昼前には家に戻る。
2時間ばかり昼寝して、原稿を片づけ
夕方からやってくる客に備える。
今日はたっぽんと石津さんの誕生日を祝うのだ。
サイゲンジの新しいアルバムを聴きながら掃除、炊事。
きけばきくほどいいアルバムだとわかる。
この声が35才になったらとんでもないことになるかもね。
楽しみに待とう。

だんだんと料理を作り、
ワインが次々にあいた。
今度酒肴道場でも紹介する「じゃがいものガレット」は
なかなかいいつまみだわ〜、と和歌ネエが頷いている。
ほんとほんと。ビールに最高の相性です。

へべれけにはならないのだけれど、
時計が12時を越すころから意識がだんだん怪しくなる。
早起き朝型生活の代償は、遅くまでおきていられないこと。
洗い物を半分すませて寝る。

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2004/12/05

12月2日 花粉の話

仕事の合間に、リスのように、庭に球根を埋めまくる。
アネモネ、スノードロップ、ユリ、その他いろいろ。

それにしても花粉が飛んでいる。
杉だかなんだか知らないが、のど鼻がそう訴えている。
かかりつけの保母先生(82歳)はこののどをみるやいなや
うひゃーといって、
いつもの薬を「アレジオン」から「ジルテック」に格上げした。

帰り道、ずっと気になっていたが入ったことのない花屋「el Sur」で
ラナンキュラスを買う。今度は黒いパンジーを買おう。
球根の上の土が何か寂しい感じなので。

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2004/10/22

ブログで日記再開

 ogiwaka.comで唯一のほぼ毎日更新コンテンツ「東京日記」が止まってからほぼ4ヶ月。ブログにすればいいじゃん!と気がつき、はじめることにしました。
 ライターという仕事柄、文章を書く時間は長く、多分そこそこ量も書いているのではないかと思うのだけれど、やっぱりこれ(東京日記)とは違うんです。忙しければ忙しいほど腹のそこから「書きたいなあ!」と思う瞬間がある。というわけで再開。緊張もしつつ、ちょっとうれしい夜なのです。

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